記録(2023年1月24日)*読書メモ
16時間近い空腹時間を設けるようにしてます(努力目標)。
芸術は、つねに新しく創造されなければならない。けっして模倣であってはならないことは言うまでもありません。他人のつくったものはもちろん、自分じしんがすでにつくりあげたものを、ふたたびくりかえすということさえも芸術の本質ではないのです。このように、独自に尖端的な課題をつくりあげ前進してゆく芸術家はアヴァンギャルド(前衛)です。これにたいして、それを上手にこなしてより安易な型とし、一般に実用化させるのはモダニズム(近代主義)です。したがって、双方の作品は一見似かよっているのですが、内容的にはまったく正反対の要素をもっているのです。
岡本太郎『今日の芸術』84頁
タローマンは自己模倣が一番許せない。
私的にはモダニズムの在り方の方が好ましいですね。
もう少し、突っ込んでお話しましょう。ほんとうの芸術は、時代の要求にマッチした流行の要素をもっていると同時に、じつは流行をつきぬけ、流行の外に出るものなのです。しかも、それがまた新しい流行をつくってゆくわけで、じっさいに流行を根源的に動かしてゆくものです。芸術家は、時代とぎりぎりに対決し、火花をちらすのです。
一言でいえば、モダニスト(近代主義者)が時代にあわせて、その時の感覚になぞえにゆくのにたいして、真の芸術家はつねに批判的です。正しい時代精神が現存する惰性的なありかたに反抗し、それをのり越えてゆくという反時代的な形で、おのれの仕事を押し出してゆくのです。
岡本太郎『今日の芸術』84-85頁
今日の芸術は、
うまくあってはいけない。
きれいであってはいけない。
心地よくあってはならない。
岡本太郎『今日の芸術』84頁
ところが、このように、今までそれなしには「すぐれた芸術」とはいえないとされていた絶対の条件が何ひとつなくて、しかも見るものを圧倒し去り、世界観を根底からくつがえしてしまい、以後、その人の生活自体を変えてしまうほどの力をもったもの、ー私はこれこそ、ほんとうの芸術だと思うのです。
岡本太郎『今日の芸術』88頁
心地良くあってはいけない
- 芸術=見た人の価値観を壊す圧倒的なもの、飛躍的な創造物であり、時代の常識を先んじている
- 見た人に一種の緊張が走る、不快感、疑惑、苦痛
- 見る人も創る人とおなじ熱量でもって作品にぶつかる必要がある
- 良い芸術品はいつまでも「いやったらしい」
きれいであってはいけない
- ただ「綺麗だ」で終わるとそれは芸術でなくモダニズムになる
- 「綺麗」は見飽きてしまう
- 綺麗はその時代のその場所に通底した可変の価値観、型であるため
- 「綺麗」は見飽きてしまう
- 「きれい」=一目して分かる心地良さ、美しさとは質的に別物
- 「美しさ」=「きれい」よりも奥深く人に感じ入させる何か
- 「美しさ」は汚いもの、気持ちの良くないものにも使える
うまくあってはならない
- 「うまい」=職人的な巧みさ、器用さ
- 「うまさ」は真の芸術的価値を持たない
それでは。